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2度目の席替え。
その頃の私は、もう友達ではなくて。
大好きだった。普通の13歳と同じように。
席はわたしの前。
一番右側の列。廊下側。
これが全てを変えたと、今のわたしは思うよ。
この席の時にたくさん、辛いことを経験した。
他を想うあなたをそばで見ていたし、
わたしの友達に降り注ぐ困難に
わたし自身打ちのめされる時に
あなたは頭をさすり、励ましてくれたね。
そしてこれが、その後の軌跡を産むとは
わたしたちは知りもしなかったと思う。
そんな毎日が、想いだけを膨らませ。
あなたの想い人は叶わず。
わたしの想いは告げず。
そのまま学年が終わり、次学年へと変わり。
その頃にやっと、
好きだと告げました。
今思えば、逃げだったと想います。
他人の手を借り、年度末に
要はダメだった時の逃げ道を確実に確保した
告白でした。
正直、あの頃のあなたには
そこまで眼中にも意識にもなかった相手が
わたしだったと思います。
それでもいいと、答えをくれたわたしは
たった13歳の普通にあなたが好きな女の子でした。
それから、全ては変わっていったのです。