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あなたが居なかった毎日は、
すごく辛かったのをいまでも覚えてる。
それは、居ないことだけが辛かったんじゃなくて
何もできない自分への無力感が一番辛かった。
婚約者や、結婚相手ではない。
親や兄弟と呼ばれる親族でもない。
自分には、あなたを救う術もないけど、
あなたと法的に会う手段さえもない。
世界の全てが敵であるように感じてしまうほどの無力感でした。
愛が儚いと呼ばれる理由を初めて知るように。
それから、あなたの居ない毎日を
あなたを知る仲間たちから欺くことが
辛かった。
噂とは早いもので、
みんなは知っていてわたしの嘘を
温かく見守ってくれた。
わたしの嘘と、あなたのことを。
わたしは毎日を忙しく。
あなたを思いながら、淡々と。
毎日を過ごした。
1日も早く、1日が終わることを願い。
1日も早く、願う日が来るように願い。
1日も、あなたの笑顔が絶えないよう願い。